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メンタルケアなし保育所が半数超!保育士が自分のストレスに気付く20の質問

 保育士は子どもの笑顔に囲まれ元気を貰える仕事です。その一方で保育士の職場環境は過酷であり、多くの保育士がストレスを抱えています。政府は保育士のメンタルサポートを推進していますが、未だ半数超の保育所では整備が進んでいません。保育士のみなさんは自分の健康が第一だということを意識し、定期的に自分の精神や体と向き合うことが必要です。

保育士の9割が精神的ストレスを抱える。背景に厳しい職場環境

保育士 ストレス④

 保育士は子どもの成長を見守るという非常にやりがいのある仕事である一方で、職場環境は厳しく精神的なストレスを抱える保育士がたくさんいます。ウェルクスの調査では保育関連の仕事の従事者の約9割がストレスを感じています。そのなかでも約3割はうつ病と診断された経験があり、職場環境がいかに厳しいのかがわかります。

 保育士はどういうところにストレスを感じるのでしょうか。保育士のストレスの原因としてまず挙げられるのが人間関係です。保育士は女性が多く、気を遣うことが多いのでストレスがどんどん蓄積してしまいます。職場によっては「新人保育士いじめ」などいじめが慣例行事化していることもあります。次に勤務時間が長いことです。「延長保育」で遅い時間帯まで働いたり、残業をしたりする保育士も多いです。また定時で帰ろうとしても、他の保育士が残っていたら帰宅できないという職場もあります。最後に保護者対応です。保育士は子どもと接するだけでなく、その保護者とも頻繁に関わります。理不尽な要求をしてくるモンスターペアレントが増えており、ストレスとなっていることもあります。

半数超の保育所メンタルヘルス支援が整っていない

保育士 ストレス⑤

 政府は保育士のメンタルサポートを推進していますが、厚生労働省研究班の調査によると、半数超の保育所で相談支援やストレスチェックなどの保育士のサポート体制が整っていません。施設の運営形態毎に比較すると公営の認可保育所は77.4%である程度サポート体制が整っていましたが、社会福祉法人や株式会社など民営の認可保育所は25.3~37.1%と低迷しています。特に民営施設には中小規模の施設が多く、十分なメンタルサポート体制の整備まで手を回すことができていません。保育士の職場環境は過酷で精神的に追い詰められている保育士もたくさんいますが、メンタルの不調で精神科や専門の医療機関などに自分で受診しに行くのは勇気のいることです。施設内のメンタルサポートなど身近な環境でのメンタルヘルスケアが整備されれば、保育士も悩みを相談しやすくなります。保育士の職場環境の改善のためにもメンタルサポート体制の整備を急がなくてはなりません。

SOSに自分で気付こう!保育士のメンタルヘルスチェック20問

保育士 ストレス⑥

 半数超の保育所では未だ保育士のメンタルサポートを行っていません。またメンタルサポート体制が整備されている保育所でも充実したサポートが常に受けられるわけではありません。そのため保育士が健康に働き続けるためには、自分のストレスに気づくことが重要です。以下に簡単な質問を20問記載します。あてはまると思うものの個数を数えてみてください

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メンタルヘルスチェックの20の質問】
・職場で体力を使い果たしているはずなのに、眠れない夜が続く
・目覚ましよりも3時間早く目覚める。再び眠ることができない
・大好きなはずの食べ物を目の前にしても、心が弾まない
・とにかく食べて気持ちを紛らわす
・1週間のうちに3回以上仕事の夢を見た
・子どもたちの姿よりも園長先生や先輩の目ばかり気にしてしまう
・出勤する時に「ずーん」と重い気持ちになる
・休みの日に予定が空いていても友達や恋人と出かけたくならない
・帰宅してボーっとしていると理由の分からない涙が出てくることがある
・1か月のうちに5回以上病院に行った
・お給料の額を考えると買い物や旅行は我慢しなくてはいけない
・子どもたちが可愛いから仕事を辞めてはいけない
・職場での不満は自分の中で解消したほうが楽だ
・土日、祝日も持ち帰り仕事をしている
・仕事が終わってからテレビを見たり読書をしたりするプライベートの時間がない
・違う仕事をしている友達の話を聞くと羨ましいと思う
・緊張する仕事の前はお腹の調子が悪い
・保育中にふと気が遠くなることがある
・子どもたちが可愛く思えない
・おしゃれや美容に興味がなくなってしまった

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 20問中いくつ当てはまりましたか。

5個以内の方は、日々の仕事の中で上手に息抜きができているでしょう。しかし忙しさが続くと息抜きを忘れがちになるので、リフレッシュはいつでも意識しておきましょう。

6から10個以内の方は、職場での疲れが溜まっています。気づくと仕事ばかりで、自分をケアする時間が足りていません。マッサージや美容院、温泉など自分へのご褒美を作りましょう。

11から15個以内の方は、体に危険信号が出ている可能性が高いです。このままでは精神的な負担により仕事を休む必要性も出てくるかもしれません。今の自分のワークスタイルを見直し、どうしたら改善できるか一度立ち止まり考えてみましょう。

16から20個の方は今すぐ仕事の見直しが必要です。精神的な負担は必ず健康への害となって現れます。すでに体調が悪い方は職場のメンタル支援や病院の健康診断を受けることをお勧めします。そして転職も視野に入れて現在の仕事のスタイルを見直す必要があるでしょう。

 自分を責めてしまう人や責任感が強い人ほど、精神的に追い詰められる傾向にあります。「自分は人よりも劣っている」と自分を責めるのではなく、自分の精神や体を第一に考えてあげましょう。

「保育士のストレス」に関するまとめ

 保育の仕事は「子どもと遊んで楽しそう」と思われがちですが、責任が重いうえに職場環境も厳しく、非常にストレスの溜まりやすい仕事です。ほとんどの保育士が精神的なストレスを感じており、なかにはうつ病と診断される保育士もいます。政府は保育士のメンタルサポートを推進していますが、未だ半数超の保育所ではサポート体制が整っていません。そのため職場のメンタルサポートが十分でない場合は、自分自身で体のSOSに気づく必要があります。毎日一生懸命働いていると自分の精神や体と向き合うことは難しいですが、自分の健康のためにも定期的にメンタルヘルスチェックを行うことが重要です。