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保育士のパワハラの実態。保育士が職場で受けやすいパワハラとその対処法

 保育士の離職理由に度々挙げられるのが、先輩保育士や園長から受けるパワハラです。保育士の職場は女性ばかりで仲が良さそうに思われますが、パワハラを始めとしたハラスメントに頭を悩ませる保育士がたくさんいます。なかにはパワハラがきっかけで集団でのいじめに発展することもあります。パワハラを受けても一人で抱え込んでしまう保育士が多いですが、あまりにも深刻だとうつ病やノイローゼになってしまいます。周りに相談するなどして自分の健康を第一に考えることが必要です。

パワハラモラハラ?マタハラ?保育士が職場で受けやすいハラスメントの種類

保育士 パワハラ ハラスメント①

 ハラスメントとは他者に対する発言、行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します。ハラスメントは保育士の離職理由にもよく挙げられ問題になっています。保育園では以下のようなハラスメントにより保育士が頭を悩まされています。

パワハラ
パワハラはハラスメントのうち地位や人間関係などの優位性を利用して、相手に精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為です。

モラハラモラルハラスメント
暴力は振るわず主に言葉や態度で嫌がらせをしていじめることです。無視や暴言など精神的嫌がらせがモラハラに当てはまります。パワハラのうち特に職場以外で行われるものをモラハラと捉えることもあります。

◯マタハラ(マタニティハラスメント)
マタニティハラスメントの略で、職場で妊娠・出産している人に嫌がらせをすることです。男性から女性へのマタハラが連想されやすいですが、女性から女性へのマタハラも増えています。保育士の間でも妊娠した保育士に直接嫌がらせを言ったり、妊娠を理由に自主退職を強要したり、育児休暇を認めない保育園もあります。

自分では意外と気づかない?保育士が経験しているパワハラとは

保育士 パワハラ ハラスメント②

 保育園の職場でもパワハラモラハラ、マタハラなどのハラスメントに傷つけられていますが、多くの保育士が「ハラスメントされている」と気づいていません。保育士の職場でハラスメントを行うのは園長や主任など自分よりも仕事の経験が長い人や自分よりも年上の人です。立番が上の保育士からハラスメントを受けるので保育士も「自分が悪い」と感じてしまい、ハラスメントされている認識がありません。その結果ひとりでハラスメントに耐えるばかりでからだを壊す人もいます。ここでパワハラモラハラの実例を紹介するので、心当たりのある保育士はひとりで耐えるのではなく誰かに助けを求めましょう。

◯理不尽な上司
園長が何かにつけて保育士を叱責。質問すれば「いちいち訊くな」と言われ、自分で判断すれば「勝手な行動をするな」と怒られてしまいます。叱責はときに暴言や心ない罵りとなることもあって、他の同僚や子どもの見ている前でも繰り返し行われます。周囲も「あなたのためを思って言っているの」と園長の行為を正当化しかばってくれません。その結果精神的に参ってしまい、やがて出勤できなくなりました。

◯罰として雑用ばかり押し付けられる
気に入らない保育士のささいなミスを見逃さず、罰として保育の仕事をさせずに掃除や片付け、教材づくりなどの雑用ばかり押し付けるといった事例も多くあります。園長に抗議をしてもミスをしたあなたが悪いと聞く耳を持ってもらえず、保育士を精神的に追い詰めています。

◯子どもを生めない雰囲気
結婚した途端に園長から「うちの園で人が足りないのはわかっているよね?あなたも大人なのだから周囲に気を遣って自制するように」と、暗に妊娠しないよう念押しをしてくることもあります。

こんなのひどすぎる!保育士のパワハラの実態

保育士 パワハラ④

 パワハラのほとんどが上司からの理不尽です。しかしなかには「これはちょっとひどすぎる」という事例もあります。

◯保護者からのクレーム電話に叱責する
保護者からのクレームの電話がかってきたときに、主任保育士や先輩保育士がそばで耳を立てることはよくある光景だと思います。しかしなかにはクレーム電話を受けただけで一方的に叱る保育士もいます。クレームの内容を聞き取ったり、対処の仕方を指導したりしてくれれば良いのですが、電話を取っただけで叱られてしまったら気分も落ち込んでしまいますよね。

◯子どもの前で保育士を叱る
保育士もはじめから完璧な仕事ができるわけではないので、時にはミスすることもあります。ミスをしたら指導されるのはわかりますが、日中であれば子どもを保育中なので場所は考えてほしいですよね。しかし子どもへの配慮もなく、その場で保育士をどなりつける主任もいます。子どもの前で保育士を叱るのは、子どもたちが動揺するので禁物です。子どもの前で注目を怒られてしまったら、保育士としてのプライドも傷つけられてしまいます。

◯集団でいじめを行う
保育園で権力の大きい保育士からパワハラを受けてしまうと、周りの保育士も一緒になって嫌がらせに参加することもあります。集団でのいじめに発展してしまうと、ただでさえ苦しい状態で相談する相手も失うことになります。恐ろしいことに、いじめの集団の中心にいることで自分の威厳を保とうとしている保育士もいます。集団からのいじめを受けてしまったときは、園長など周りへの影響力が高い人に相談すると良いでしょう。

女性の多い保育士の職場にもセクハラは存在する!同性間でのセクハラも問題に

保育士 パワハラ⑤

 保育士の職場は女性の方が多く、職場に男性がいない保育園も珍しくはありません。男性が少ないのでセクハラは起きないように思われがちですが、職場でのセクハラに悩む保育士もたくさんいます。というのも保育士全体では女性の割合が圧倒的に高いのですが、園長に限っては男性の割合も高くなっています。そのため園長にからだを触られたり、交際を迫られたりと迷惑行為に巻き込まれることもあります。園長は保育園の職場のなかでトップに当てはまるので、園長にセクハラをされると助けを求める先が見つかりません。そのため園長からセクハラを受けてもただ我慢しているだけという保育士もいます。
 またセクハラは異性の間だけでなく、同性間でも起こります。先輩保育士からの「モテるのは今のうち」「彼氏はいるの?」という言葉も、言われた保育士がいやがらせだと感じていれば立派なセクハラです。
 セクハラをしているのは基本的に自分より立場が上の保育士であるので周りに助けを求めるのは難しいです。しかし一人だけで対処するのではなく同僚や、仲のいい先輩保育士に相談して集団で対処するのが良いでしょう。

パワハラの影響でノイローゼやうつ病の危険性も

保育士 パワハラ⑥

 理不尽なパワハラを受けるうちに精神的に追い詰められてしまうこともあります。特に主任や園長といった役職が高い人から受けるハラスメントは、どうしても深刻に受け止めてしまいます。精神的な負担が重なると、次第にからだの調子にも影響が出ます。なかにはパワハラでの精神的なダメージが大きすぎて、ノイローゼやうつ病といった病気を抱えてしまう保育士もいます。しかしノイローゼやうつ病の症状は自分で気づくのが難しく、気づかないうちに悪化させてしまう傾向があります。「常に不安を感じている」、「最近眠れない」、「できていた仕事ができなくなった」、「疲労感が消えない」、「消化不良が消えない」という症状が少しでも出ている人は要注意です。上司からのハラスメントに負けたくないという強い心を持つことも大切ですが、一番重要なのは自分自身が健康に働き続けることです。パワハラモラハラなどのハラスメントを受けて調子が良くないときは、しっかり休息をとり、それでも良くならないときには一度病院で診察してもらいましょう。

保育士のパワハラへの対処法。ひとりで抱え込まず転職も視野に入れて

保育士 パワハラ ハラスメント③

 では実際にハラスメントを受けてしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。ここからは保育士のハラスメントへの対処法を紹介します。

◯自分を第一に考える
もしもハラスメントを受けてしまったら、まずはご自分の心身の健康を第一に考えてください。「子どもが迷惑する」「仲間が困る」など、周囲に責められることがあると思いますが、一番大事なのはあなたの心身が健康であることをまず念頭に置きましょう。

◯身近な相談相手を探す
身近な相談相手を見つけることも大切です。信頼のおける同僚や同業者でも良いですし、友人などプライベートの知り合いでも良いでしょう。あなたのことをよく理解してくれていてホッとできる人、知識経験が豊富で客観的に現状を整理してくれる人など、複数の相談相手を探せるとベストです。

◯証拠を集める
誰かに相談する際、穏便な話し合いに持っていく際、あるいは法的な対処に発展してしまうような際にも、ハラスメントの証拠を集めておくことは大事です。まず、ハラスメントと思われる言動を日時やその時の状況とともにメモしておきましょう。日時と一緒に記録することでメモの証拠能力が高まります

◯公的機関などに相談する
残念ながら話し合いが難しい場合や、議論が決裂してしまった場合は、労働基準監督署のような公的機関や法テラスなど第三者機関に相談しましょう。

◯転職する
ハラスメントに耐えられないと感じたら、思い切って転職してみるのも一つの手でしょう。そのとき一番に気になるのは転職先の人間関係についてですよね。「転職先でもパワハラがあったら…」とネガティブな意見も出るかと思いますが、そんな保育士の方は転職支援サービスを利用してみましょう。求人票には載っていない園の人間関係を知ることができますし、今までのような辛い思いをしなくてもいい保育園をコンサルタントが探してくれます。

「保育士のパワハラ」のまとめ

 ハラスメントとは他人への「嫌がらせ」や「いじめ」など相手を不快にさせることで、保育園でもハラスメントを受ける保育士がたくさんいます。特に保育士の職場ではパワハラや精神的な嫌がらせであるモラハラ、妊娠・出産に関する嫌がらせのマタハラが多く、被害を受けた保育士が退職に追い込まれることもあります。パワハラモラハラでは自分より経験のある保育士や年上の保育士から受けるので、されている側も「自分が悪い」とひとりで抱え込んでしまいがちです。他の人に迷惑をかけたくない気持ちもわかりますが、精神的に追い込まれてしまうとノイローゼやうつ病になる可能性もあるので大変危険です。実際にハラスメントを受けてしまった場合には信頼のできる同僚や友人、公的機関など周りの人に自分の状況を聞いてもらいましょう。そして状況によっては理不尽な職場を早く辞め、潔く転職を検討するのも良いでしょう。