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保育士の手当や控除を徹底解説!保育士が転職するときにお金で損しないためには

 保育士の給与には基本給の他に様々な手当が含まれており、手当だけでも大きな割合を占めます。給与明細には勤務日数や勤務時間だけでなく、支払われる基本給や手当、差し引かれる税金や保険が細かく書いてあります。各項目が何を示しているのかわからないと、自分が損をしていても気づくことができません。また給与の仕組みを知ることで、求人の比較が正しくできるようになり「思っていたより給与が安い」といったミスを防ぐことができます。

保育士がもらえる手当の代表例。なかには注意が必要な手当も

保育士 手当①

 保育士の給与には基本給以外に様々な手当が加えられており、手当は給与の増減を大きく左右するものです。ここでは一般的な手当についてご紹介します。

○資格手当
資格手当とは保育士資格を持っている人に対する手当です。保育園などの保育施設では保育士資格を持っていなくても、保育補助という形で保育に携わることもできます。そのため国家資格である保育士資格を持つ人に手当をつける施設もあります。

○役職手当
主任や副園長などの役職に就いている人に対して与えられる手当です。金額は施設によって様々ですが、役職手当の相場は5万円程度です。施設によってはクラスリーダーや学年主任に対しても手当が支給されるケースもあるようです。

○賞与
賞与は6月や12月などに給与とは別に支払わられるお金です。基本給の1ヶ月~3ヶ月分の場合が多く、平均額は年間で約58万8千円です。しかし支給義務があるわけではありません。賞与がない職場では、基本給が高めに設定されていることもあります。

通勤手当
電車やバスなどを使って通勤する場合通勤手当が支給されます。多くの場合上限金額が設けられており、超過分に関しては自費負担となってしまいます。特に結婚などで引っ越す場合は、引越し先の通勤にかかる費用が手当の範囲内か注意しましょう。

○住宅手当
住宅手当は賃貸を借りている人に対する手当です。低賃金が問題になっている保育士にとって、生活を大きく支えてくれる存在です。全国的に見ると実施している保育園はまだ多くはありませんが、都内の園などでは一人暮らしの場合一定金額が補助されるケースも増えてきています。

○扶養手当
シングルマザーや男性保育士など扶養家族がいる場合に支給される手当です。支給している園はまだ多くありません。

【注意すべき手当】
○残業手当
どうしても残業が発生してしまう施設では、あらかじめ定めた時間分の残業代を手当として給与に含めています。雇用契約に残業手当が「月30時間分の残業代を含む」と定められている場合、実際の残業時間が30時間未満であれば問題ありません。しかし、31時間以上残業をした場合、超過分の残業代は支払われないこともあるので注意しましょう。

○特別業務手当
比較的多くの職場で支給されている手当です。特殊業務手当は行事などで通常業務以外の仕事が増えたときの手当のことです。毎月のように行事がある保育所や施設では、特殊業務手当が手取りを左右することもあり、大切な手当です。ただし基本給が安く特殊業務手当が大きいところは、賞与の支給額を抑えようとしている場合もあるので注意が必要です。

税金や保険など控除で引かれるお金をチェック。

保育士 手当②

 給与明細には支給額と控除額に大きく分けられるが、控除額は支給額から差し引かれるお金のことです。控除には主に保険や税金が項目としてあります。保険や税金は毎月あたり前のように払っていますが、何のために払っているのか知っていますか。せっかく支払っているものなので理解しておくといいでしょう。

○健康保険料
病気やけがの医療費負担を軽くする保健。保険料は会社と従業員で50%ずつの負担です。保険料算出の基準になる標準報酬月額は、毎年4.5.6月の報酬の平均額で決まります。その年の9月から保険料が変わるので注意が必要です。

介護保険
寝たきりなどになった場合に介護が受けられる保険。40歳~64歳までの職員が保険料を負担します。毎年9月から保険料が変更になります。

○厚生年金保険料
退職や死亡時などに本人や家族が年金を受給するための保険。こちらも4~6月の給与額によって、9月から保険料の変更があります

雇用保険
失業してしまったときに、次の職場が見つかるまでの生活を支えるための保険。保険料は給与総支給月額×1.35%で算出し、うち0.5%を本人が負担します。

所得税
個人の所得に対して加算される税金の金額が記載されます。12月の年末調整で過不足調整されます。

○住民税
前年の課税所得に基づいて計算されるので、新しい年には税額が変わります。自治体によって金額は若干異なります。

○財形貯蓄、会費等
財形貯蓄とは貯金が貯まるように給与から天引きで貯蓄してくれる制度です。職員会や組合費がある場合はその会費も天引きされます。 

知らなきゃ損!お金で後悔しないための正しい求人の探し方

保育士 手当③

 給与の仕組みを一番注意して見るべきなのは転職をするときです。転職の際は求人票を見てどの施設にしようか決めると思いますが、求人票の一言が違うだけで給与に大きな差が出ることもあります。まず求人票を見たときに一番に気になるのが、給与の項目だと思います。給与を見るときは記載されているものが月給か基本給かをしっかりチェックしてください。基本給で記載されていると給与が安いと思いがちですが、手当を含めて計算してみると自分の想像以上に高いこともあります。

 次に注意すべき点は固定残業やみなし残業です。残業の有無に関わらず一定の金額を固定残業代、みなし残業代として支払い、その規定の時間数を超える残業代は別途支払うというシステムです。残業手当の分月給は高く見えますが、計算すると残業代をその都度払う園の方が、給与が高くなることもあるので注意が必要です。月平均勤務時間で比べると公平に判断できるでしょう。

 最後に保険についてです。「社会保険完備」という文言は求人票ではよく見かけると思います。社会保険には雇用保険労災保険、厚生年金保険、健康保険を指しており、この4つがあれば特に問題はありません。しかし「社会保険完備」の記載がない場合には4つの保険があるかどうかきちんと確認しましょう。完備されてない場合には別途加入が必要になり余計にお金がかかる場合があります。

「保育士の手当」に関するまとめ

 日頃保育の仕事を頑張って給料日を迎えても総額を確認するだけで、給与明細の細かな項目をじっくり見ることはありませんよね。しかし自分が気づかないだけで、もしかしたら損をしているかもしれません。損をしないためにも手当が何を指しているのか、控除で引かれているものは何なのか理解するようにしましょう。また給与明細と同じように転職の際の求人票も注意深く見なければなりません。言葉1つの違いで給与に大きな差が開くこともあります。お金の面で損をしてしまうと日頃の仕事のモチベーションも上がりません。後悔しないためにも、雇用条件については細かく確認することが必要です。